読める日の停車駅

千を超える蔵書を少しづつ少しづつ読んでいます。読んではいるものの、元来読んだ内容を忘れやすいので、内容や雑感を記しています。誰かに見て頂いている態で書くのは大変おこがましいので、淡々と記録のような書き方をすることもあります。

2022-09-01から1ヶ月間の記事一覧

過去4年からの振返り

細々と本と読書に関することを綴り始めてもう4年経っていた。 本当に細々なので、これまででやっと85投稿続けて来られたのが、飽きっぽい自分としてはよく続いているものだと思う。 読んだ作品はこのところ備忘のためにインスタグラムに都度整理しているのだ…

フレドリック・ブラウン「73光年の妖怪」

わたしの思う読書の種類には、一度に通読できるものと、時間をかけないと通読できないものとの大きく二つに大別できると思っている。 その違いは、簡単に言うと内容の軽重によるものと思っているのであるが、今回通読したフレドリック・ブラウンのSF作品「73…

バルザック「谷間の百合」ノート1

主役の私(フェリックス)は幼い頃から親兄弟に愛されず、特に母親に愛されず、色々な学校に転々と預けられる生活をする。 もちろんそこでも、金銭面の援助や衣食に関してもほとんど受けられず、不当な少年時代を送ることとなる。 幾ら母親の気に止まる事をし…

いのちの半ばに見た幻想「アウル・クリーク橋の一事件」

そういう落ちだったのか…と思わせるのは、ビアスの「いのちの半ばに」に収録されている「アウル・クリーク橋の一事件」。 ビアスの作品のうちで有名なもののひとつのようである。 話はアウル・クリーク橋の欄干にて絞首刑を目前に控えた男の、命がけの逃走劇…

マイクル・クライトン「アンドロメダ病原体」

冒頭からドキドキさせられる。 屋外で両手を胸に当てたまま死んでいる沢山の人に群がるハゲタカの群れ。 そして、遺体の上を跨ぎながら、この惨状の目撃者2人の目の前を横切った人物描写の恐ろしさ。 どうもこの町に墜ちた米国の衛星が関与しているという疑…

ホーソーン作品集「七人の風来坊」より、「デイヴィッド・スウォン」

おそらくは今後平凡な道を歩むであろう、青年ディヴィッド・スウォンは、これから番頭としてはたらくことになった親類の職場を目指している。 彼は通りで乗合馬車を拾おうとするが、あまりの暑さと疲労で、湧き水がある手近な楓の木陰でぐっすり寝込んでしま…