西の魔女が死んだを読んで
昨夜の読書会の課題図書であります。
右の小説「浴室」は次回5月の課題図書で、私が選書させていただきました。
西の魔女が死んだは、植物の温もりと人の温もりが程よく調和した優しい物語です。
子どもの頃のようなピュアな気持ちで読むと一層味が深まるでしょう。
このお話の主たる部分は、おばあちゃん(西の魔女)=理想の象徴、ゲンジさん=現実の象徴ではないかと私は考察します。
おばあちゃんは優しさとぬくもりを持って、主人公のまいへ日常をいかに意味のあるものとして生きていくかを教え、一方で敢えてアウトロー的な存在のゲンジさんと接触させることにより、現実とよく向き合うこと、人の表面ばかりを見るのでなく内面を見ることが大切であることを教えたかったのではないかと思います。
そして自分の運命は自分で決めて切り拓いていくものだとも。
そして随所に出てくるおばあちゃんのことば「アイ・ノウ」
この魔法とも思えるひとことで、まいの想いのすべてが優しく包みこまれ、理解され、許される。
自分自身そういう人間でありたいし、そうなりたい。
最後のおばあちゃんのメッセージはだれが書いたか?
おばあちゃんが自分の死期を予見して??それともゲンジさんにお願いして??
ここはいろんな考察が飛び交うところでもありました。
「f植物園の巣穴」「裏庭」もまたの機会に読んでみたいのであります。