読める日の停車駅

千を超える蔵書を少しづつ少しづつ読んでいます。読んではいるものの、元来読んだ内容を忘れやすいので、内容や雑感を記しています。誰かに見て頂いている態で書くのは大変おこがましいので、淡々と記録のような書き方をすることもあります。

2022-05-07から1日間の記事一覧

読書ノオト・カフカの「審判」第十章および未完の断章

第十章 結末 ある日の夜9時頃、シルクハットの男二人がKの自宅を訪ねてくる。 Kはその男たちに両脇を固められながら、何処ともなく歩を進める。途中橋の欄干から見える、かつてKが昼寝していた長閑な川のほとりの情景が、これまでの殺伐とした空気をすべて帳…

読書ノオト・カフカの「審判」第九章

物語も大詰めを迎えるかと思いきや、一向に見えてこないKの罪業。 この章の前半は久しぶりに物語ぽくなっており、読むのに退屈しない。第九章 伽藍 Kはこのところ銀行仕事において、接待ばかり任されるようになり、足許が覚束ない調子である。 今回も支店長…

トーマス・マンの短篇「悩みのひととき」の通読により受ける詩人シラーの熱い情熱は、自分自身を奮い立たせるきっかけにもなる

トーマス・マンがゲーテとともに師事していた1700年代の有名な詩人に、フリードリヒ・フォン・シラーという人がいる。 (designACのイラストよりシラー) トーマス・マンの短篇の中に、シラーの創作までの苦悩と燃えるような情熱を綴った一作「悩みのひととき…